第12回研究会プログラム

第12回研究会

第12回研究会開催要領

13:00 - 13:30

語彙の概念化とWikipediaを用いた英字略語の意味推定手法

  • ○後藤 和人,土屋 誠司,渡部 広一(同志社大学)

本稿では,英字略語の意味を推定する方法を提案する.提案手法は,ある概念から様々な概念を連想する語彙の概念化処理が可能な概念ベース,世界で最も収録語数が多いとされるWikipedia,及び,概念化した語彙の意味的な近さを判断できるEarth Mover's Distanceを応用した文章間関連度計算手法を用いる.これらを用いて英字略語の多義性を解消し,本来の意味を推定する.提案手法は,129件の記事(英字略語の意味:129種類,英字略語の表記:58種類)に対し,最高で80%近い正答率を獲得した.

13:30 - 14:00

ソーシャルタグを用いたランキング学習による類似楽曲検索

  • ○萩原 智彰(東京工業大学),山田 誠二(国立情報学研究所/総合研究大学院大学/東京工業大学)

類似楽曲検索とは,ユーザの楽曲発見を支援する検索技術である.楽曲の音響信号を解析し,その楽曲と類似している曲を提示することで支援を行う.ユーザから楽曲が与えられるとき,より多くの情報をユーザから引き出し利用することができれば,より望ましい検索結果に繋がる.本研究ではSNS上で得られたタグを利用したランキング学習により,検査結果の対話的な改善を実現するシステムを提案し,実験的な評価を行った.

14:00 - 14:20

類推を用いた数学の学習支援システム

  • ○草田 圭輔,砂山 渡(広島市立大学)

ある分野の知識を他の分野の知識へと転用する類推を行うためには,両知識の共通点となる本質を理解しておく必要がある. 数学の学習においても,本質を理解することなく,ひたすら公式だけを覚えて解く学習方法では, 複数の同じ意味の公式があったとしても,それらを別々の公式として覚える必要が生じ,応用が利かない状況に陥いる. そこで本研究では,共通の本質を持つ異なる分野の問題に対して,本質を理解させた上で,両者の類推を支援する学習システムを提案する.

14:20 - 14:40

ストーリーとライフを用いた学習意欲の向上と維持の枠組み

  • ○高橋 麻祐,砂山 渡(広島市立大学)

昨今の教育現場においては,確かな学力を育むために,子どもたちの学習意欲を高めることが求められている.そこで本研究では,一般的な学習システムに,学習意欲の向上と維持を促す要素として,一定の学習成果に応じてストーリーの閲覧が可能な機能,ならびに演習問題に取り組める回数に制約を与えるライフ機能,を追加した学習支援の枠組みを提案する.

14:40 - 15:00 休憩

15:00 - 15:30

ツールの操作履歴の共有によるテキストマイニング時の発想支援

  • ○金谷 直哉,砂山 渡(広島市立大学)

テキストデータマイニングのための統合環境TETDMには,数多くのマイニングツールが含まれており,様々な方法で分析を行うことができる.テキストマイニングを行う際には,分析結果を幅広く集めて分析を行う必要があるが,一人の発想では限界があるため,自分の知らないツールの利用方法を参照することができれば,新たな結果を得るための発想に繋げられると考えられる.そこで本研究では,TETDMの利用者がツールの操作履歴をお互いに共有するための機能を提案する.

15:30 - 16:00

TETDM利用者の利用意欲向上のためのゲームモードの開発

  • ○竹岡 駿,砂山 渡(広島市立大学)

テキストデータマイニングのための統合環境TETDMは,テキストマイニングの専門家以外の人にも,Webページ,メール,SNSやBBSのコメントなど,普段目にする機会が多いテキスト情報を分析するために用いられる環境として構築されている.また利用者が増加することで,ツール開発者の開発意欲が増し,統合環境に追加されやすくなる利点が生じると考えられる.そこで,TETDM利用者の利用意欲の向上を目指して,ゲームの要素を加えたゲームモードを提案する.

16:00 - 16:20

分析結果とその解釈の統合を支援する知識創発インタフェース

  • ○西山 知志,砂山 渡(広島市立大学)

テキストマイニングにおける知識創発の収束プロセスにおいては,収集した分析結果の統合と解釈を繰り返すことで,因果関係として表される端的な知識の獲得を目指している.そこで本研究では,ひとつの結果に繰り返し解釈を与えさせる「解釈の多段化」により,解釈の幅を広げて汎用的な知識の獲得に繋げるとともに,解釈への「原因と結果のラベル付け」により,知識を因果関係としてまとめる支援を行う.

16:20 - 16:40 休憩

16:40 - 17:10

社会情勢の変化を表す表現の自動収集と可視化の検討

  • ○尾亦 智弘,渋木 英潔,森 辰則(横浜国立大学)

ある技術を活用し新しいものを作る時や,企業などが新企画を立てる際には,社会情勢の変化を把握することが必要である.しかし,社会情勢の変化が現れる対象は多岐にわたる上に,統計情報のように解釈の仕方から議論しなければならないような情報もある.そこで本研究では,Web上の文書群から,社会情勢の変化を表すものであると書き手が解釈しているであろう表現を自動的に収集する手法を検討する.また,収集した社会情勢の変化を表す表現を利用者に見やすく提示するために可視化についての検討も行う.

17:10 - 17:30

発話内容に関する話題の提供によるコミュニケーションの継続支援

  • ○柴田 有紀,砂山 渡(広島市立大学)

現在の社会においては,情報端末の普及による,対面でのコミュニケーション能力の欠如が問題になってきている.そこで本研究では,対面でのコミュニケーション時に,シースルー型のヘッドマウントディスプレイを用いて,会話の内容をもとに,リアルタイムに次の話題を推薦して提示するシステムを提案する.これにより,これまでにあまり対話経験がなかった相手との会話の継続を促す.

17:30 - 18:00

レイアウト認識に基づく論文構成要素の抽出

  • ○岩月 憲一,加藤 恒昭,山口 和紀(東京大学)

学術論文は複数の構成要素から構成され,各要素は「本文」「図」等の文書内役割を持っている.この情報を抽出することで,特定の文書内役割に注目した論文検索等,より高度な論文活用が可能となる.本研究では,論文画像をOCRで処理したものを入力とし,論文構成要素の同定と,それに対する文書内役割の付与を試みた.OCRによる認識誤りを修正した後,CRFを用いて文書内役割の学習・推定を行う.実験の結果,文書内役割の付与は最も良い場合で正解率0.94となった.

更新日時:2016/03/18 09:56:17
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