第24回研究会プログラム

第24回研究会 (現地開催中止)

研究会の現地開催を中止することと致しました. 予稿の公開をもちまして,研究会発表に代えさせていただきます.

指描きによる疼痛の波形表現に対するオノマトペの推定手法

  • ○西原陽子(立命館大学),羽鹿諒(立命館大学),和氣紗也佳(立命館大学),山西良典(立命館大学)

 本発表では、疼痛の表現を計量可能な信号情報に変換し、信号情報から対応するオノマトペ表現を推定する試みについて報告する。ある疼痛について、感圧式のタッチパネルを利用し、指で描くことにより3次元(X軸、Y軸、圧力)の時系列データを取得する。これを周波数分析して得られた特徴パラメータをベクトルとして獲得し、波形表現を介し、疼痛に対応するオノマトペ表現との関係をモデル化する。評価実験の結果より、提案手法が波形表現に対応するオノマトペの推定を一部可能にすることが確認された。

看板画像を用いた検索システムにおける学習モデル構築手法の検討

  • ○三溝 俊介(関西大学),松下 光範(関西大学)

 本研究の目的は,ユーザが読めない文字で書かれている看板から店舗の詳細情報を検索するシステムの実現である.ウェブ上に存在するデータから構築したデータセットを用いて看板の分類を行う機械学習モデルを構築し,分類した店舗情報が掲載されているページのURLを返却するWebAPIを実装した.実装した検索システムを用いてフィールド実験を行ったところ,実世界においても看板の認識が可能であることが確認された.

深層学習を用いたTwitterユーザからの趣味情報の抽出

  • ○若宮 悠希(滋賀県立大学),砂山 渡(滋賀県立大学),畑中 裕司(滋賀県立大学),小郷原 一智(滋賀県立大学)

 近年,Twitterから個人情報を抽出する研究が盛んに行われるようになってきている.しかし,Twitterにおいては投稿されるコメントが比較的短く,また様々な話題についてのコメントがなされることが多いため,特定の趣味についてのコメントは局所的にしか現れてこない.そこで本研究では、特定の趣味に深く関わる特有単語を起点とした深層学習により,指定の趣味に関わる関連語彙を潜在的に幅広く学習させた上で,各Twitterユーザが指定の趣味を持つか否かを判定するシステムを提案する.

ベクトル単位での重み共有化と符号化によるカプセルネットワーク軽量化の試み

  • ○島田 研太(日本大学),尾崎 知伸(日本大学)

 本研究では,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の一つの発展であるカプセルネットワーク(CapsNet)の軽量化について議論する.具体的には,CapsNetの基本単位がベクトルであることに着目し,CNN軽量化の代表的手法である量子化,符号化をベクトル単位で適用することを提案する.提案手法を評価するため,種々のベクトルサイズと量子化粒度を用いてMNISTとCIFAR-10を対象に計算機実験を行った.その結果,識別精度とモデルサイズの観点から,一定の効果が確認された.

グラフ構造データを対象とした解釈可能決定集合の拡張

  • ○松山 航太(日本大学),尾崎 知伸(日本大学)

 本研究では,分類規則抽出に関する代表的な解釈性研究の一つである解釈可能決定集合のアイディアを,グラフ構造データへと拡張する.具体的には,頻出部分グラフを用いてグラフデータベースをトランザクション化し,クラス相関ルールを導出する.加えて,クラス相関ルールの構成要素がグラフであることに着目し,グラフ形状を考慮した解釈性に関する新たな評価尺度をルール集合選択基準に組み込む.これらにより,グラフ構造データからの解釈容易なルール集合の導出を目指す.

評価表現辞書の精錬による化粧品レビューの推薦精度向上

  • ○今江 柚実(関西大学),松下 光範(関西大学)

 化粧品レビューを提供するサイトにおいて,利用者の価値観に近い投稿者が投稿した化粧品レビューを推薦するシステムが提案されている.このシステムの化粧品の得点算出に用いられる評価表現辞書の中には,ネガティブな評価表現に高い評価値が付与されている場合が散見され,精度の低下の一因となっていた.これを改善するため,レビュー文を商品の効果に関する文か否かに注目して分類し,辞書構築に用いる文を商品の効果に関する文に絞り,評価表現辞書の精錬を行った.先行研究と本提案手法による評価表現辞書の精度の比較を行い,35項目の評価項目において平均絶対誤差が減少した.

深層学習を用いた好意と悪意の可視化による文章推敲支援

  • ○庵 翔太(滋賀県立大学),砂山 渡(滋賀県立大学),畑中 裕司(滋賀県立大学),小郷原 一智(滋賀県立大学)

 近年,SNSの利用者の増加によって,オンラインでの対話を行う人が増加している.こういった現状を考えると,対話の際に読み手の感情を考慮した文章推敲をする事は重要であると言える.そこで本研究では,読み手に好感を持ってもらえる文章の推敲を支援する事を目的とする.このために,深層学習を用いた好意と悪意を含む表現の可視化機能や文章修正を促す機能を実装した.実験の結果,本システムによって読み手に好感を持ってもらえる文章の推敲を支援出来る事がわかった.

ギャップにより面白さを生むストーリーの生成に向けた単語の自動補完

  • ○河村芽依(滋賀県立大学),砂山 渡(滋賀県立大学),畑中 裕司(滋賀県立大学),小郷原 一智(滋賀県立大学)

 日常生活では人とコミュニケーションを取る機会も多く,親しい人との会話では興味や関心を持って面白いと思ってもらえる話を作りたいと考えることもある. しかし,面白さを含むストーリー作りを練習する機会を得ることは難しい.そこで本研究は,予想とのギャップによって面白さを生むストーリーを,テンプレート内の単語を自動補完することで作成するシステムを提案する.実験により,生成したストーリーが一定の面白さを生じさせることができることを確認した.

自動車運転者の行動分析のための注視情報抽出法

  • ○針ヶ谷勇星(東京大学),白山晋(東京大学)

 運転者の注視情報は彼らの受容した情報を推定し行動を分析する上で重要だが,従来の注視情報抽出法は頭部運動に頑健でないため運転者の視線計測データには適用できなかった.本研究では運転者の中心視野の画像特徴を活用して注視状態の検出を行うことで頭部運動の有無に関わらず注視情報を抽出可能な手法を提案した.評価実験の結果,提案手法により運転者の注視情報が従来手法より高精度かつ高効率で抽出可能なことを示した.

アダプティブ e-ラーニングのための図形問題の類似度算出法

  • ○多田 舜一(東京大学),白山晋(東京大学)

 近年、教育ビッグデータを用い、学習者の習熟度に応じて学習内容を柔軟に変化させる学習手法、アダプティブ e-ラーニングへの注目が高まっている。本研究では、学習者がどのような知識・作業を用いて問題を解いたかを意味する解法手順に着目したアダプティブ e-ラーニングシステムについてその全体像を提案し、さらにサブシステムであるデータベースを自動で構築する手法について、算数の図形問題を例に実装した。提案するシステムでは、従来手法に比べ、学習者へのより詳細なサポートが期待できる。

時系列データを扱った研究の動向調査

  • ○柴田祐樹(首都大学東京),菊池圭佑(首都大学東京),笹方育也(首都大学東京),白井祐(首都大学東京),高見玲(首都大学東京),武川紘也(首都大学東京),張錦程(首都大学東京),李頴豪(首都大学東京),高間康史(首都大学東京)

 時系列データを扱った研究は未来を推測する枠組みを与え,季節の予測等生活に不可欠であることから古くより行われている.現在では,対象とする手法や問題は分野横断的となっているため,全体像の把握が難しくなっていることから,時系列データを扱った研究の動向調査を行い,その結果を報告する.近年医学系の分野で用いられる体系的調査を参考に,本調査に適した形式に改良した調査方法についても報告する.

更新日時:2020/03/13 11:26:53
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参照:[イベントの歴史]