第31回研究会プログラム

第31回研究会

第31回研究会開催要領

人工知能学会合同研究会2023の一環として開催されます.

  • 日時 2023年11月24日(金)10:15-16:30
  • 場所 慶應義塾大学矢上キャンパス・オンラインからも参加可能
  • 参加費 無料
    • 合同研究会(こちらも無料)への事前参加登録が必要です.こちらよりお申し込みください.
  • 予稿 研究会発表の予稿は,開催日前の11月22日(水)に本HPにて公開します.

10:15-

ご挨拶

10:20-10:50

高等学校における問題解決型探究指導の知識モデリング~PPDACサイクルオントロジーの構築と探究過程の可視化~

  • ○林宏樹,笹嶋宗彦(兵庫県立大学)

 高等学校では,問題を発見し解決する探究学習を通して問題解決能力の育成を目指しているが,現状,指導法が確立されておらず,指導経験の浅い教員が指導計画を立てることは困難である.本研究では,統計的探究プロセスを用いたPPDACサイクルオントロジーを提案した.研究方法として,探究学習における知識の獲得,体系化,PPDACサイクルへの対応付けを行い,知識モデルを構築した.構築したオントロジーは,アンケート調査結果によって検証した.結果,探究学習の指導経験の浅い教師が指導計画を立案することを支援できることを示唆した.

10:50-11:20

クラック分類タスクにおけるLRP for Branch Networksを用いた視覚的説明生成

  • ○飯田紡(慶應義塾大学),小槻誠太郎(慶應義塾大学),平川翼(中部大学),山下隆義(中部大学),藤吉弘亘(中部大学),杉浦孔明(慶應義塾大学)

 深層学習が幅広い分野に応用されている現代において,深層学習モデルの説明性は重要であるが,説明生成のためのモジュールを利用する場合,それ自体が複雑になってしまい透明性が低い.特に,ブランチ構造を持つモデルにおいては,逆伝播の説明生成が難しい.そこで本論文では,ブランチ構造における逆伝播の計算法と,その逆伝播を導入したLayer-wise Relevance Propagation for Branch Networks (LRP-BN)を提案する.道路上のクラック有無を分類するモデルに対する視覚的説明を生成するタスクに焦点をあて,LRP-BNにより理論的背景が明確で高品質な説明を生成する.

11:20-11:40 (ショート)

ChatGPTを用いたSNSユーザのストレスを含むコメントの抽出とストレス推定

  • ○岡本宗一郎,砂山渡,服部峻(滋賀県立大学)

 厚生労働省による最近の「過労死等防止対策白書」においては,仕事や職業生活に関することで強い不安,悩み,ストレスを感じている労働者の割合は半数を超える状況が続いている.日々生じるストレスからの解放のために,インターネット上のSNSにおいてコメントを投稿することで,共感を得たり,現実逃避を行う人の流れがある.そこで本研究においては,SNSのテキスト情報から,ストレスを含むコメントを抽出し,SNSユーザのストレス状態を推定できるシステムの構築を目指す.

 昼休み・合同研究会企画

14:45-15:05 (ショート)

マルチモーダル情報に基づく画像説明文の教師あり自動評価

  • ○齋藤大地,和田唯我,兼田寛大,杉浦孔明(慶應義塾大学)

 画像キャプション生成では,モデルが出力した生成文の品質を適切に評価することが重要である.しかし,n-gramに基づく自動評価尺度は人間による評価との相関が低いことが報告されており,JaSPICEなどがそれらに代わる自動評価尺度として提案されているものの,表層表現の不一致に対して適切に評価を行うことができない.そこで本論文では,画像キャプション生成に対する自動評価尺度SuiSeiを提案する.SuiSeiは,マルチモーダル特徴抽出機構およびidfを考慮した文埋め込み機構を用いて人間による評価を回帰する.実験の結果,SuiSeiはベースライン尺度と比較して人間による評価との相関が高いことを示した.

15:05-15:35

複数回にわたる楽器指導の特徴分析―ギターレッスンを対象として―

  • ○飯野なみ(国立情報学研究所,理化学研究所),三浦寛也(理化学研究所),武田英明(国立情報学研究所)

 楽器の指導現場では、演奏と発話が重複するなど特殊なインタラクションが行われる。特に特定の楽曲に対して複数回のレッスンが実施された場合、その過程には生徒の上達や教師の観点から特徴的な傾向やパターンが存在する可能性がある。本研究では、楽器指導における非明示的な指導過程を可視化するために、プロの演奏家である教師とアマチュアの生徒による1対1のクラシックギターレッスンを録音したデータを対象に、音声区間と発話内容を分析した結果について考察する。

15:35-15:55(ショート)

学習理論の体系に関する調査とオントロジーを活用したPBL演習のモデル化

  • ○後藤千颯,林宏樹,笹嶋宗彦(兵庫県立大学)

 生徒の主体性を育む方法の一つとして, グループでのPBL (Project Based Learning) を主体とした教育方法が話題となっている. その教育効果を客観的に評価するためには,PBL演習で行われている教育を教育理論に従ってモデル化し,適切な指標について計測する必要がある. 本研究では,教育理論を体系化したオントロジーであるOMNIBUSオントロジーを参考に教育理論を分類し,兵庫県立大学社会情報科学部で行われているPBL演習を,学習理論の組み合わせとしてモデル化する.

15:55-16:25

確率的経路生成モデルの規格化条件の導出と実験による評価

  • ○柴田祐樹,高間康史(東京都立大学)

 経路最適化による経路生成を一般化した確率的経路生成モデルが提案されている.本稿ではこのモデルが規格化されるために満たすべき条件の導出を行う.先行研究では,従来最適化に使われていた目的関数を指数部に持つBoltzmann 分布により確率分布を定義していた.しかしこの場合,確率分布の総和が1に正規化されない場合が存在し,結果として確率分布からの標本化がうまく機能しない場合がある.本稿ではこの問題が,実際の観光経路問題で想定される場合で問題となることを示し,解決するために導入するべき目的関数の経路長さに関する項と,その項が満たすべき条件を示す.また,数値実験により,導入した条件の妥当性を示す.

16:25-

まとめ

更新日時:2023/10/17 12:06:55
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