第3回研究会プログラム

第3回研究会

1. 10:00-10:30

価値観に基づくユーザモデルを用いた情報推薦手法に関する検討

  • ○服部 俊一, 高間 康史(首都大学東京)

本稿では,ユーザの価値観に基づくユーザモデルを用いた情報推薦手法を提案し,その特性について検討する.本稿において価値観とは,ユーザがどの属性を重視してアイテムへの評価を決定するかという属性毎の価値判断,いわば「こだわり」を表す要素とする.価値観に基づくユーザモデルを内容ベースフィルタリングと組み合わせ効用ベース推薦を実現する手法を提案し,その特性や実現課題などについて考察する.

2. 10:30-11:00

「動向に関する問い」を対象タスクとしたコンテクスト検索の提案

  • ○加藤 優, 桑折 章吾, 高間 康史(首都大学東京)

本稿では,「動向に関する問い」を対象タスクとしたコンテクスト検索を提案する.既存の検索エンジンは汎用的に利用可能な反面低機能なため,情報要求をクエリに分解するのに要するユーザの負担は大きい.本稿で提案するコンテクスト検索は,タスクを限定することで高度な検索機能を提供する.動向に関する問いは広く一般に見られるものであり,提案手法は幅広いドメインに貢献することが期待できる.

3. 11:00-11:30

語の上位下位概念と文書の主題との関連度を用いた例示部分特定手法

  • ○大野 和久, 田村 直之, 松本 征二, 新堀 英二(大日本印刷株式会社)

書籍などの文書を読解する為には,論理構造の把握が効果的であり,特に主張に対する具体例を知ることが有効と考えられている.談話構造解析の従来手法では,例示部分を特定するために,手がかり語や,語の抽象度の遷移といった情報を用いるが,手がかり語が無い場合や例示部分が独立する場合は,特定が困難だった.本研究では,語の上位下位概念と文書主題との関連度を用いることにより,例示部分の特定精度を向上する.

4. 11:30-12:00

擬似ラベルを用いた潜在的ディリクレ配分法の提案

  • ○鈴木 聡子, 小林 一郎(お茶の水女子大学)

トピックモデルの代表的な手法であるLDAに基づき提案されたLabeled LDA(L-LDA)は,文書に付けられたタグを,教師信号としたモデルであり,複数のタグ付き文書に対してLDAを上回ると知られている.しかし,ほとんどの文書にはタグが付与されておらず,L-LDAの利用できる範囲は限られている.本研究は,タグの代わりとなる疑似ラベルを作成し,全ての文書にL-LDAを適用することを目的とする.

12:00-13:10 昼休み

5. 13:10-13:40

半教師あり学習における教師データ選出とグラフ構成

  • ○江里口 瑛子, 小林 一郎(お茶の水女子大学)

グラフ構造に基づく半教師あり学習の精度は,教師データの選出の仕方やグラフ構成の仕方によって左右される.本研究は,これら二点に着目して学習の精度向上を目指す.具体的には,教師データ選出に関しては,PageRankの概念を用いて質の高いデータを選出し,分類時のグラフ構成に関しては,k-近傍グラフと相互k-近傍グラフによるグラフ構成を行う.以上の提案手法の有効性を検討するにあたって,データセットにはマルチラベルを有するReuters-21578を用いて文書分類実験を行う.

6. 13:40-14:10

単語の共起グラフを用いた潜在的意味に基づく効果的な文書分類への取り組み

  • ○小倉 由佳里, 小林 一郎(お茶の水女子大学)

近年,潜在意味解析手法の発展に伴い,様々な文書処理への応用がなされている.本研究では,文書の潜在的意味を考慮した分類手法を提案する.文書分類において重要な情報となる文書中の重要語を,語の共起関係からグラフを構成し,PageRankアルゴリズムを用いて決定する.分類対象とする文書をその重要語を用いて重要文を抽出し,潜在意味に基づく文書分類手法を提案し,その精度を比較し提案手法の有効性を検討する.

7. 14:10-14:40

電子カルテにおける新人とベテランの特徴比較支援システム

  • ○谷 恵里香, 砂山 渡(広島市立大学)

看護士が記述する電子カルテは,新人とベテランで記述の仕方に差が出ることがある.本研究では,新人とベテランのカルテ集合を作成し,両者の特徴の発見と比較を促す.これにより,新人がベテランのカルテの書き方を学べるようにする.具体的には,看護士の経験年数と,カルテが含むキーワード選択により電子カルテを絞り込む.絞り込んだカルテ集合から地図を生成して表示すると共に,カルテ集合に含まれる単語と地図に含まれる単語の提示を行う.

8. 14:40-15:10

多人数向けメッセージからの失礼表現の自動抽出

  • ○安藤 律子, 砂山 渡(広島市立大学)

不特定多数の人に向けてメッセージを発信する際,内容が失礼にならないように配慮することが望まれる.本研究では,電子掲示板やTwitter等,多人数向けメッセージを対象に,失礼表現が含まれる可能性が高い文を抽出することを目的とする.失礼表現である可能性が高い単語の集合を用い,システムに入力されたメッセージが失礼かどうかを判定する.判定結果を提示することで,メッセージ内容の再考を促し,失礼表現の投稿を避ける手助けをする.

15:10-15:30 休憩

9. 15:30-16:00

組合せ発想のための意見交換の発散支援システム

  • ○宮原 和也, 砂山 渡(広島市立大学)

一般的な意見交換の流れとして,多数のアイデアを幅広く発想させる発散フェイズと,多数のアイデアをまとめる収束フェイズが存在する.本研究では,意見交換の発散フェイズにおいて,アイデアとその組合せの幅広い発想を支援するシステムの構築を行う.すなわち,意見交換の参加者が列挙したアイデア,またはその組合せをネットワークで表示し,まだ列挙されていない新しいアイデアやその組合せを提示,示唆するシステムを提案する.評価実験により,システムが提示,示唆した内容が参加者の幅広い発想を促す効果があることを確認した.

10. 16:00-16:30

言語表現による時系列データ検索システムの提案

  • ○蓮井 大樹, 松下 光範(関西大学)

本研究では,言語表現による時系列データ検索システムを提案する.提案するシステムは,クエリとなるグラフを言語化し,生成された言語表現に基づいて,類似するグラフを検索する手法を用いている.このような検索を支援するために,グラフ上をドラッグすることで言語化するグラフの形状を動的に指定出来る機能や,指定された範囲のグラフの形状や上昇下降といった傾向を言語化する機能,グラフの複数の傾向からマッチングを行い一致率が高い順に結果を提示する機能を実装した.

11. 16:30-17:00

Phickle: 写真をトリガとした横断的な情報アクセスを支援するシステム

  • ○田中 和広, 松下 光範(関西大学)

本研究の目的は,写真をトリガとした横断的な情報アクセスの支援である.それに向けて,写真に写っている内容やメタ情報に着目し,情報探索を円滑にする手法を提案する.本稿では日付に基づき,時系列情報の探索を支援するシステムを実装した.本システムを用いた実験の結果,写真と関連付けて時系列情報を閲覧する機能は一定の評価が得られた.日付に基づく情報アクセスは主要な機能であるが利用度が低く,機能を改善する必要性が示唆された.

更新日時:2013/03/15 06:10:15
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