第8回研究会プログラム

第8回研究会 (於 人工知能学会 合同研究会)

11:10-11:40

化学反応経路ネットワーク探索のためのビジュアルインタラクティビティのデザイン

  • ○ 中小路 久美代(京都大学),小田 朋宏(SRA),佐藤 寛子(NII)

RMapViewer(Reaction Map Viewer)[sato, et al. 2013, 2014]は,化学反応経路ネットワークを探索するためのインタラクティブな可視化環境である.化学反応経路ネットワークは,分子を構成する原子の理論上あり得る3次元構造をノードとし,それぞれのノード間での遷移可能性をリンクとする巨大ネットワークである.RMapViewerでは,分子デザインに携わる化学者が,着目するノードからの指定ステップ内遷移可能性や,二つのノード間の遷移経路の同定と比較といった探索タスクを行うことを目的として,可視化状態の遷移アニメーションと多視点並べ替えを擁したインタラクティブな可視化環境である.本論では,RMapViewerが提供するインタラクティティを列挙し,化学者の思考過程とビジュアルインタラクティビティの関係を考察する.

11:40-12:00

ユーザ間の関係可視化によるコミュニケーション支援システムの提案

  • ○鈴木 友也,上村 春貴,高間 康史(首都大学東京)

本発表では,複数ユーザ間の関係を可視化するコミュニケーション支援システムを提案する.文書の共同執筆や企画立案などの共同作業では,他者との考えの共通・相違を認識し,全体の方針を決定するプロセスが必要となる.提案システムではこの作業を共同作業のためのコミュニケーションとして捉え,キーワードベースでユーザ間の関係を可視化することで支援する.配置の主体となるユーザをインタラクティブに変更可能とすることで,多様な視点からの検討を可能とする.

12:00-13:20 昼休み

13:20-14:40

合同企画: 2013年度優秀賞記念講演

14:40-15:00 休憩

15:00-15:20

ブラウジング指向新聞アーカイブシステムKENBUNのためのズーミングインタフェース

  • ○後藤 幹登,吉田 翔一,中上 裕基,萬 卓哉,中島 誠(大分大学)

マイクロフィルムに転写された新聞紙面画像のデジタル化に合わせて,記事に容易にアクセスできる新聞アーカイブシステムKENBUNの構築を進めている.本発表では,開架本棚を歩き回り書物を探し出すようなブラウジングを,新聞記事を対象に円滑に行えるズーミングインタフェースのデザインについて述べる.検索システムのように質問用語を用意せずともよく,予期せぬ発見も得られるブラウジ ング指向システムにおける効果を検討する.

15:20 - 15:40

オンラインニュースを対象としたモニタリングシステムの提案

  • ○沼野 航希,高間 康史(首都大学東京)

本発表では,オンラインニュースの定期的なモニタリングを支援する情報可視化システムを提案する.オンラインニュースは主要な情報源の一つとなっているが,新着記事が絶え間なく到着し,常時モニタリングすることは困難である.興味ある話題を見逃すことなく効率的にモニタリングするために,提案システムでは以前関心を抱いた話題の続報提示,モニタリングするタイミングを判断する手がかりの提示によりモニタリングを支援する.

15:40-16:10

複数国の新聞からの多観点比較による分析〜GDELTデータを用いた分析〜

  • ○吉岡 真治(北海道大学),神門 典子(国立情報学研究所)

我々は,これまでに,複数の国の新聞を比較することにより,それぞれの新聞が代表する各国の興味の違いなどを分析する新聞比較システムNSContrastの開発を行ってきた.本論文では,複数の国の新聞に関する大規模データベースであるGlobal Database of Events, Language and Tone (GDELT)を紹介すると共に,そのデータに基づいた解析事例を紹介し,その解析結果に基づいた考察を行う.

16:10-17:10[招待講演]

オープンデータ流通基盤LinkData.org による行政と市民の協業促進

  • ○下山 紗代子(一般社団法人リンクデータ.理化学研究所)

日本におけるオープンデータを加速させるには,行政からのトップダウンだけではなく,民間からのボトムアップも支援する必要がある.LinkData.orgは生命科学分野のデータベース統合において培われた技術を広く社会へ応用するために開発されたプラットフォームであり,地方自治体や民間の団体・個人がデータを公開し,利活用する場を提供してきた.今後は本プラットフォームを用いて,データ作成を支援できる専門家(市民データスチュワード)が自治体の一次オープンデータを機械可読性の高いデータに変換して公開する市民活動を推進できるように支援することで,自治体のリソース不足をオープンデータ流通の面から補う仕組みの構築を目指す.

更新日時:2014/11/05 20:41:24
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